「本日はご来店いただきまして、誠にありがとうございます。お客様に、閉店時間のお知らせをさせて頂きます」


 聞き覚えのあるメロディーと共に、店内放送が流れてきた。早くしなければ、時間がない。


 理那はどうやって屋上まで行くつもりであろうか? エスカレーターやエレベーターは共に6階にまでしか行くことは出来ない。だとすれば、屋上に行くための道は……


 ひとまず、エスカレーター付近のインフォメーションのところまで向かった。表記されている項目を眺め、屋上まで行く方法を考えた。やはり方法は一つしかない。


 俺はトイレへの案内板を確認し、それに従って歩いた。トイレ付近に屋上へ行くための道がある。


 そして、トイレの前にまで行くと、近くにあるドアの前で立ち止まった。災害時にしか使用出来ない緊急避難用階段。


 予想が当たっていれば、これは屋上にまで繋がっているはずだ。