――だけど、やはりダメなのだ。理那にも、家に帰るとは言ったが、最初からその気持ちはない。


 家を出た時から、理那と一緒に家に帰る事を決めていた。


 CD屋にも、自然公園にも、レストランにも理那はいなかった。だけど、まだ心の中では理那を信じようとしている。だから、まだ帰ることは出来ない。




 この気持ちは愛なのだろうか? 分からない。しかし、彼女にも言ったように、自分が愛だと思った時点で、それは愛なのだ。




 俺は、やはり彼女に恋をしている。沸々と心の底から湧き水のように、彼女を愛する感情が溢れ出してきた。




 彼女がどんな理不尽な事を言おうとも、彼女を裏切ることは出来ない。