「えい!」理那は3番ボールを打とうとした。が、キューの先はてんで違う方向を向き、3番ボールの上、空を切った。
「次は俺の番ですね」チョークでキューの先を擦り、集中力を高めた。
理那は気が付いていないようだが、3番ボールの左斜めの位置に9番ボールがある。うまくいけば、3番を9番に当てる事で、9番をポケットする事が出来る。
俺は、キューを3番ボールの右側を突くような姿勢で構え、脇を絞めた。よし、これならいけるはずだ。
息を飲み込み、キューを放った。
コツッという乾いた音が響き、白球は狙い通りの位置へと動き出した。
そしてうまく3番に当たり、それは9番へとぶつかる。9番はゆっくりと転がり、ポケットした。
「ええ! なにこれ。順番に落とさなきゃいけないんじゃないの? ずるい」理那は文句を言っている。
「何もずるくないよ。これで俺の勝ち」

