まっすぐに *短編*

「見つけた…」

…ん？

ドアに手をかけたままの俺の耳に、聞き覚えのある声。


──酒井！


先に見つけたのかと落胆する俺。

申し訳ないが盗み聞きしてしまえと2人の会話に集中する。


「酒井くん、どうしたの？？…何かあった？」

「あの…、川名に大事な話があって…」


…やっぱり告白じゃねぇの？


「俺、告白…、その、す…す…き…」


すきって言ってる…？

酒井も走ってきたのか息があがってる。

俺はドアをおもいっきり開けた。