誰かにとられるなんて考えたことなかったな…
たまにヤスって核心をついてくるからヤスの言葉が妙に引っ掛かる。
放課後、教室のベランダで夕日なんかを見ながら1人たたずんでみたりしているくさい俺。
──タッタッタ
足音が近づいてくる。
教室のドアが開くと、そこにいたのは──
鈴ちゃんと同じクラスの酒井隆文。
…普通こういうときって鈴ちゃんじゃねーの?
なんて思ってたら、
「川名さん見てねぇ?」
息を少し切らしながら聞いてきた酒井。
俺はなぜだかドキッとして、鼓動が早くなる。
「…見てねぇし、知らねーよ」
一言答えると酒井はありがとうと言い、教室を出ていった。
これってもしや…
───やばい展開?

