まっすぐに *短編*


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「すずちゃーん!おはよー!」

教室のドア側にいる鈴ちゃんに大きめな声で叫ぶ。


「あっ直人くん!おはよー!」


今日もかわいい…
手振ってくれてる…
笑顔がまぶしい…!
好きだー!って叫んでしまいたい!!!


「直人ーもう昼だけど?」

俺が余韻にひたってるのに邪魔をしたのは明日香。

明日香のおかげで鈴ちゃんに出会えた、という点ではすごく明日香に感謝している。

が、
鈴ちゃんとは対照的に明日香は強い女だ。

相談にのってもらってる手前、下手に言い返したりもできない。

相談と言っても、毎回明日香に

「早く告白しなよ」

と言われてるだけなんだけど。


明日香のちょっときつめの攻撃に耐えながら、俺は鈴ちゃんと話しを続けた。


「鈴ちゃん今日昼飯なに?」

「えっと、「鈴は弁当。あたしは購買。」


こんなどうでもいい会話に返事をしてくれようとした鈴ちゃんの邪魔をしたのはやっぱり明日香。

「……明日香には聞いてないんだけど…な、」


そういいながら鈴ちゃんのお弁当を見に行く。


「お、うまそ!」

「な、直人くんも食べる?」

「食っていいの!?」


いいよと差し出してくれたのは卵焼き。


「うまっ…。」

「ほんと!?」

「すげーうまいよ!明日から俺の分も、」


────バシッ!


「調子にのるな。」


明日香のどつきがかなり効いた。


「いてー…」

せっかく鈴ちゃんとしゃべれたっつーのに…