支度を早めに済まして外に出ると、太陽が眩しく思えた。
ずっと暗い部屋にいたような気がする。
「蓮人くん、早くーっ」
「はいはい…」
はんば引きずられるようにして近くにできたモールに行く。
最初は確か夕飯の買い物のはずだったのに…
「…何見てんの?」
「ネックレス!可愛いよねぇ…これ大好き!しかも見てっ!これ、リングにもなるんだよ…いいなぁ…」
「………」
ネックレスはチェーンにリングが2個通されていた。
よくあるデザインだと思う。
値段は850円。
まぁ普通かちょっと高いか…
「…買ってやろうか?」
「えっ?…いっいいよ!そんなつもりじゃないからっ」
「いいよ別に…」
勝手にネックレスを取って、レジに持っていく。
そのまま購入して…
「…ん、あげる」
「…ありがとう…ごめんね…えっと、今つけてもいーい?」
「いいんじゃん?」
遠慮がちに袋を開けてネックレスについた名札を剥がして首に回す。
「…ん?………ありり?できないー…蓮人くん!つけてっ」
「はいはい、わがままなお嬢さんっ」
「わっわがまま!?」
その声は無視した。
「…蓮人くん…」
「………なに?今集中してんだけど…」
「あのっ大変なら私、後ろ向くよっ!あのっその…」
言ってる意味はすぐにわかった。
俺も同じことを考えていたからだった。
つまり、今は向き合った状態で俺が里美の首に手を回しているので、抱き着いているのと同じポーズなのだ。
「…気にしない。つか色気ないし…」
嘘だった。
ちょっと意識した。
いや、意識しないほうが無理だと思う。
普通に無理だ。
だけどプライドに似た、自分は意識していない態度をとっていたいと言う強がりが嘘をつかせた。
だからこそ気付いて、私が意識するから、と後ろを向いて欲しかった。

