「うん、何匹いるかずーっと数えてるんだけど、僕〔とお〕までしか数えられないの。だから〔とお〕数えるごとにはっぱを千切ってるんだけど、ほら、こんなにたくさん山になっちゃた。はっぱも〔とお〕までしか数えられないから、おばちゃんはっぱを数えてくれると嬉しいんだけど」 青年は一匹のアリも見逃すまいとしているかのように、ずっと下を向いたまま答えた。