「信じられない、入籍しちゃうなんて」 一週間ぶりに会ったかおりが言った。 「あたしだって。でも今はすっごく幸せよ。とりあえずは一ヵ月後に迫ったタイトルマッチに備えて内助の功を発揮させねば」 「あーあ、あたしもケンと結婚したーい」 「その後どう?」 「うん、ヤスシが死んだときは、さすがにケンもみんなも参ってたけど、ケンにはあたしがぴったり寄り添っていたからね。もう大丈夫。親父さんの経営するガソリンスタンドの仕事に精出してるわ」