「ふざけるなよ、お前。俺たちはチンピラじゃねえんだぞ。ルールを守れよ」
やすしが新顔に凄んだ。
「強いチームがルールなんだよ!」
新顔が負けじと応戦した。
こうなるとどちらも引かなかった。
「てめぇ、このやろ。俺は今日、虫の居所が悪りぃんだ。バイカーなら口じゃなくバイクで勝負だ」
やすしはケンの抑制を聞かなかった。
「チキンレースだ。この埠頭の最初の生贄にしてやる!」
チキンレースの言葉を聞いて、新顔がひるんだ。
「なんでぇ、怖気づいたのかぁ。えっ」
やすしはとろんとした目で新顔を見据えた。
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