明け方、悲鳴の混じった泣き声と、壊れそうなほどドアをたたく音がして中岡と奈央は飛び起きた。 「何事だ!?」 中岡が玄関に向かっていき、すぐにドアを開けた。 「カオリさんか、どうしたんだいったい」 かおりの尋常でないようすに中岡は奈央を呼んだ。 「ゆうべはごめん、なんか疲れて眠ってしまって」 奈央の言い訳など耳に入らないかおりは、嗚咽をもらしながらやっとのことで口をきいた。