「水木先生お願いします」





翌朝、奈央は保育園に電話をした。




「水木は今日、急用でお休みを頂いております。なんでしたらご伝言を承りますが?」




奈央は直接自宅に連絡すると言い、すばるの欠席を伝えた。




「珍しい、カオリがあ休むなんて。ま、いいか。どうせすばるは休ませるつもりだったし。・・・会社にも欠勤の電話入れなくちゃ」




奈央は昼の仕事先である食材の宅配会社に電話を入れた。




「中岡さーん、頼むっ、今日は三人も病欠が出てて、てんてこ舞いなんだ。事務の子まで総動員させないと・・・」




「わかりました、課長。じゃあすぐ行きます」




奈央は受話器を置いた。




「てんちゃん、〔てがる〕のおじちゃんちで、すばるとお留守番できる?おばちゃん配達終えたらすぐ帰ってくるから」




土曜日は配達件数がわりと少ないので、いつも二時間ほどで終わっていた。配達人数が少なくてもそんなに時間はかからないだろうと奈央は思った。




「へーきだよっ。ぼくもうひとりでも寝れるし、だいじょうぶ」




昨夜の一人寝は、そうとうタカシに自信をつけさせたようだと奈央は思った。