――そうだ、逆にてんちゃんから両親のことや住んでいた町並みの様子を聞いて、こっちから探せばいいんだ―― 奈央はグッドアイディアだと指を鳴らした。 「ねぇ、てんちゃん、てんちゃんのお父さんやお母さん心配してるよ、あなたがいなくなって」 奈央はできるだけ優しく尋ねた。 タカシは急に下を向いて、しくしくと泣き出した。