ひと息ついたところでおじさんが説明し始めた。 「今んとこ、警察に届け出はないそうだ。一応私らの家を連絡先にしておいた。まあ、こう言ったらなんだが、そういう子だったらすぐに見つかるだろうって交番で言われたよ。ちゃんと自分の名前も言えたし」 「名前?ああ、そういえば聞いてなかったわ」 奈央が青年を見た。 「飯田タカシ君というんだそうだ。でも本人はてんちゃんと呼ばれてたからそう呼んでほしいとさ」 おじさんは、ストローでジュースを飲んでいる二人に目を細めた。