ベティママは休憩室と店の間の壁をブチ抜いて、特殊なガラスを入れてくれた。




休憩室のすばるからは奈央がみえる。しかし客のいる店側からはすばるのいる休憩室は見えなかった。




店からは大きな鏡があるように見えるだけだった。




すばるは毎日おとなしくそこで過ごした。




「どうしてこんなに親切にしてくれるんですか?」




奈央はベティママに尋ねた。




「さあねぇ、ただのおせっかい」




ベティママは笑うだけだった。










すばるがかおりの勤務する保育園に入った年、奈央は昼も働くことにした。




食材の配達員がその仕事だった。




奈央はすばるの将来のために本気で貯金をしなくてはと考え始めていた。