出産のために高校を中退した奈央は、しばらくかおりのマンションに身をよせていた。




かおりが高校を卒業して、保育士になるため短大に入った頃、やっとすばるが歩くようになった。




それを機会に奈央はケンとかおりが止めるのもきかず、まだ空き部屋だった宗一郎とのアパートに移った。




世間は甘くなく、奈央は打ちのめされた。しかし、かおりのマンションに戻るわけにもいかず途方に暮れていた奈央は、駅前の自販機でビールをしこたま飲んで酔いつぶれていた。傍らにはすばるがぎーぎーと泣いていた。






客のタバコを買いに出たベティママに会ったのはそのときだった。