「あ…」



颯也が何かを思い出したように声を出した。




「どうしたの?颯也」


「ここ…外だったの忘れてた」


「…っ!!」




その事に気付いて、すぐに今までのやりとりを思い出した。





「早く言ってよ!」


「莉子が気付けばいい話だろ。まあ俺は気にしないから良いけど」


「良くない!!」





今までの会話とか、…キスとかっ!外で、するとか…!ありえない!…って、ありえてるんだけど。





「終わった事だし」


「〜!恥ずかしいよ…」


「…だったら逃げよーぜ!」




そう言って颯也はあたしの手を握って、走りだした。


なんだか今までとは違う関係が始まろうとしている。




「これから、どうする?」




だから、あたしもかわれた気がするし、少しだけ……少しだけ素直になってみよう、かな?





「……初デートしたいっ」


「……………可愛い」


「!!!」






これからは、


幼なじみじゃなくて




彼氏として傍にいて、欲しいな?






そう思ったのは、もちろん颯也には内緒。





素直になるのは、まだまだ時間がかかるみたい。









〜END〜