「あんな先輩より、俺を…選べよ。俺の方が、幸せにしてやれる。絶対」





え…え……えっ?

えぇーーーーー?!




「ちょ…、ちょっと待った!」


「…なに?」




低い声で喋られて、耳がくすぐったい。こんな事されて、喋れない!

とりあえず深呼吸をした。





「あの…、あたしがいつ先輩を選んだ事になってるの…?」


「…さっき言ってただろ。好きですって…」




さっきよりも低い声。

あぁー!やっぱりダメ!耳元で話されたら心臓もたない!


あたしはスルリと、颯也の腕から抜け出した。…ちょっと寂しいんだけど。





「そ…それは、先輩に言ったわけじゃなくてっ」


「じゃー誰?」





うっ…、答えづらい…。



颯也です、なんて言えるわけないじゃん!


今まであんなに否定してたんだから…っ!




今さら好きなんて、



言えないよ…。