「ホ、ホントごめんね」 「莉子、違うって…」 「あ、たし何も見てないから。そ、それじゃあ!」 違うって…、違うってなに? 別に言い訳なんかしなくても、あたしには関係ない事じゃん。 だけど走りながらも、さっきの2人の映像がグルグル回っていた。 「キャ!!」 角を曲がった時に、誰かとぶつかった。 「莉子ちゃん?」 顔を上げると、智樹先輩だった。 「大丈夫?」 「はい…、あの先輩こそ大丈夫ですか?」 「うん、これでも男だから!」 そう言って、力こぶを見せた。その状況に思わず笑った。