“堂々と横を通ってくんじゃねーよ”


“うわ、純の視界に入るなっつーの”


ギャル達の心ない言葉が胸を突き刺してくる。


早足で通り越そうとした時、加瀬君の声が聞こえた。


「お前ら何言ってんの?風花の事を悪く言うならお前らとは口聞かねぇぞ」


ふんっ、カッコつけちゃって。


私の耳に入るのわかってて言ってるし。


それで私が自分になびくと思ってんの?!


キッと加瀬君を睨んだら、加瀬君は“早く行け”と言うように視線を送ってきた。


言われなくても行くよ。


「フンッ!!!」


プンプン怒りながら教室に向かおうとしたら、良子が私の横に来た。


「やっぱり純君カッコイイね〜風花を守る王子様みたい!」


「どこが?!ってかあんたが写真なんか撮って煽るからあいつも引くに引けなくなったんだよ?!これ以上私を追いかけ回すなら…あんたとは絶交するっ!!」


「絶交?!それはちょっとひどくない?!」


ひどいのは良子だよっ…


あんな新聞作っちゃってさ。


教室に入って、窓際の自分の席に座った。


机には大きな落書きがしてあった。


【学校からいなくなれ】


これも…


加瀬君のファンに違いない。


ハァ……………


もうやだ…。


加瀬君が学校からいなくなればいいのにっ…