「風花、おはよーさんっ」


噂をすればっ…!


「あ、純君だっ!」


「よお、編集長!おはようございますっ」


ふざけた声。


ゆっくり振り向いて、加瀬君を睨んだ。


「これ、あんたのせいだから!もう二度と私に話しかけないでっ」


どうせ本気じゃないくせに告白なんてバカみたい。


私、知ってるんだから。


昨日の告白も、賭けの一貫だった。


みんなで私の答えを賭けてたんだよね。


最低。


加瀬君に新聞を丸めて投げつけた。


「ちょっと、丸める事ないでしょっ…信じられないっ」


良子が慌ててその新聞を拾う姿を見て、またムッときた。


親友をネタにするあんたが信じられないよっ…


スタスタ歩いて下駄箱に向かったら、加瀬君が後ろをついてきた。


「姫は朝からご機嫌ナナメですね〜。今日は自慢の長い髪もはねまくってるぜ〜?」