放課後のブランコ

私の言葉を聞いて、ばーちゃんがため息をついた。


「本当は…手術の事は風花には黙ってるつもりだったんだよ…。おばあちゃんはね、おじいさんに早く手術を受けてもらいたくてしょうがなかった。だから深君のお父さんに相談したんよ…」


深の…お父さん…?


「深君のお父さんとおじいさん、歳は離れてるけど親友同士でしょ。坂本君に説得してもらおうと思ってねぇ。そしたら……。あ…またここからの話しは風花を怒らせる事になるかもしれないけど………」


そう言ってまたばーちゃんがすまなそうな顔をした。


「なに…?」


「あのね…。いろいろ相談した結果…風花がいるうちは絶対に手術は受けないだろうって坂本君に言われて…、そこで深君が風花を連れ出してくれるって言ってくれたの」


何それ?!


深も全部知ってたって事?!


「それから坂本君がこの病院の医院長とも知り合いで、手術も急いで決めてくれたの…。本当に………おじいさんにも風花にも、本当に悪い事をしたと思ってる……」


ばーちゃん・・・・


「でもおばあちゃん…もう少しおじいさんと一緒にいたいんよ……。ちょっとでも長く…おじいさんといたい…。それにきっとおじいさんも………」


何かを言いかけてばーちゃんが私を見た。


そして、優しく頬っぺたを撫でてくれた。


「風花が戻って来てくれたら…きっときっと喜ぶ」


じゃあ私…………


戻っていいの………?


じーちゃんの傍にいられるの………??


「今日の手術がうまくいって……退院できたら……また戻っておいで……」


うん………


戻るよ………。


よかった…


ばーちゃんもたくさん悩んでたんだね……


「何も知らなくてごめんね…ばーちゃん…」


「風花はいいんだよ…。ばーちゃんが全て勝手にやった事だから……ごめんね…風花。本当にごめんね………」