次の日の朝、


キッチンのテーブルの上には朝食ができていた。


誰が作ったんだろ…?


深?


深の部屋を覗こうかなと思ったけど、起こしたら悪いなと思って覗かなかった。


運転手さんは白いヒゲの生えたおじーちゃんだった。


深の会社の運転手さんみたい。


車の中で、楽しい話しをたくさんしてくれた。


うちのじーちゃんも…


何となく昔はこんな感じだった気がする。


でもそれを思い出そうとすると…頭が痛くなる。


やっぱり思い出すのはやめた。


運転手さんには、学校よりもだいぶ手前でおろしてもらった。


久しぶりの学校…。


ちょっと緊張する…。


加瀬君…


いるかな?


あれから一度も会わずに私はあの家を出てしまった。


呆れちゃってるかな。


会うのが少し怖い…。


「風花〜!!!おはよーっ!!!」


正門を入ってすぐ、待ってましたかのように良子が飛んできた。


いつもと変わらない良子に安心する。


「何で一週間も休んでたのっ?!もしかしてっ、純君と旅行にでも行ってた?!」


は?!


メモ帳片手に興味津々に私を見る良子。


ネタにしたいみたいだけど…。


「学校サボって旅行なんて行く訳ないでしょ?!」


「じゃあ二人でどっかで会ってた?どこに行った?もう付き合ってるの???」


何言ってんのっ?!


「加瀬君とは会ってないよっ…付き合ってなんかもないっ」


そう言い切ったら、良子が目をパチクリして首を傾げた。


「じゃあ二人で一緒に学校を休んでたんじゃないの…???」


「違うよ」


って事は、加瀬君も休んでるって事?!


何で??


どうしたんだろ??


まさか、ギャル達に復讐されたとか?!


ま、まさかね。


「良子、加瀬君の連絡先知ってるんでしょ?電話してみたら?」


この前あんな別れ方をしたから、加瀬君が休んでる理由が気になる。


私は…


関係ないよね?!