私とばーちゃんがご飯を食べ終わった頃、


じーちゃんが帰ってきた。


「風花はちゃんと帰っとるか」


じーちゃんは毎日ばーちゃんに、一番にそう聞く。


「帰ってますよ」


ばーちゃんの言葉を聞いて、いつものように居間から顔を出した。


「じーちゃんおかえりっ!」


私が笑って言うのに、じーちゃんはいっつもムスッとして頷くだけ。


そっけないじーちゃんだけど、私の事を一番に考えてくれる優しいじーちゃん。


今は、この3人で暮らしてる…。


中3の夏に親が離婚して、どっちも私を引き取ってくれなかったからここに来た。


ここは、お母さんが20歳まで過ごした家。


ばーちゃんは、お母さんのお母さん。


もう今は、


お母さんともお父さんとも縁を切ったから、この家にお母さんが戻ってくる事はない。


「またくだらん発明家の番組か!こいつは老人から金を巻き上げる詐欺師だって噂だぞ」


じーちゃんが勝手にチャンネルを変えたら、ばーちゃんが怒って机にドンッとビールを置いた。


「別に買うなんて言ってないじゃないっ…老人に夢をあたえてくれるいい人よっ」


「何が夢だっ」


ばーちゃんの言う事を鼻で笑うじーちゃん。


これでも本当はスッゴく仲良しなんだ。