放課後のブランコ

「ちょっといい?」


放課後。


下駄箱で加瀬君の取り巻きに囲まれてる私。


「…なに?」


冷静に、リーダー格のギャルを見た。


「ここじゃなんだから、あっち行こう」


そう言われて、ギャル達に囲まれながら人気のない校舎のトイレに連れてかれた。


途中、三上君とすれ違ったのに、


三上君は知らんぷりだった。


屋上に行かなくてよかった。


この状況を理解できない訳がない。


薄情男、三上!!


最っ低!!


「今日の昼休み、純とどこにいたんだよっ」


トイレの壁に、ドンッとたたき付けられた。


痛い…


「あんた達には関係ないっ」


こんなふうに、つるんで喧嘩を売るしか脳がない女達。


私は負けない。


「関係なくねぇんだよっ。お前が純の前に現れてから純の付き合いがワリィんだよっ。マジで消えてくんないっ?!」


純の前に現れてから…って、あっちが突然私の前に現れたんだよっ…。


理不尽な言葉に腹が立ち、掃除道具のブラシを掴んだ。


「何だよ、そんなんで殴ったらどうなるかわかってんの」


5対1なんだから、武器くらい持ってもいいでしょっ。


−バッシャーンッ…


「キャッ…」


ギャルの一人が、バケツの水を私に浴びせた。


最悪っ…


笑ってるギャル達。


許さないっ…