放課後のブランコ

加瀬君が話してくれた事。


小学2年の冬休み、最後の日。


また加瀬君は、両親の喧嘩に巻き込まれそうになってあの公園に行った。


公園にはまた私がいて、ブランコに乗ってたんだって。


☆☆☆☆☆☆☆


「風花っ」


「ゲッ、純君だっ」


「ゲッて何だよ?!」


ひどい言い草だなっ。


でも風花がいてくれてよかった!


「はぁ〜」


ため息をつきながらブランコに座ったら、風花がオレを覗き込んできた。


「どうしたの?」


「ん〜、何か家に帰りたくないなぁーと思って」


「何で?」


「父ちゃん達が喧嘩してるから」


喧嘩ばっかりでよく一緒に暮らせるよなっ。


「純君のお母さんも…泣いてるの?」


え?


純君のお母さんもって・・・。


もしかして、風花んちも…?


「……母ちゃんも…泣いてる」


「ふ〜ん。うちと一緒だ」


そう…なんだ…。


風花が何かを考え込むように海を見た。


もうすぐ、日が沈む。


オレンジ色の空がキレイだ…。