「昼休みが終わるまでここから出さない」


「は?!」


加瀬君が腕を組んでドアの前に立った。


「三上に呼び出されたんだろ?A組の女に聞いた」


聞いたんだ。


三上君も、口軽男だなっ…。


「ふんっ…」


また加瀬君から視線をそらした。


「ラブレターなんかもらってんなよっ」


はぁ?!


「下駄箱に入ってたんだからしょうがないでしょっ…!ってか、加瀬君には関係ないしっ……」


「関係なくないっ。風花に告白していいのは俺だけだから」


バッカじゃないっ?!


なに言ってんのっ…?!


呆れて言葉も出ない。


「三上には絶対に告白させない。お前も絶対に俺以外の告白を受けるなっ」


ありえない。


勝手な事ばかり言ってるこの偉そうな男はダレ?!


「おかしいよ、加瀬君。加瀬君だっていつも女の子に囲まれてるじゃん。私がどこに行こうが…誰といようが加瀬君には関係ないっ」


本当に加瀬君には関係ない。


何でそんなに私に執着するわけ?


あ、そうか…


「………賭け金が目的でしょ」


私の返事には、賭け金がかかってるんだよね。


「は?賭け金?んなもん、俺には入んねーよっ」


「……入らないの?」


「あれは新聞部の奴らが騒いでるだけ。マジで金を集めてんなら俺、編集長しばくよ」


し、しばく?!


またキャラ違うしっ…!


でもこっちの加瀬君は、


何となく嫌いじゃない・・・。


違う、


嫌い、嫌い、嫌い。


どっちの加瀬君も嫌い。