昼休み。


良子とお弁当を食べ終わって、屋上に行くかどうかを窓際に立って考えてた。


「あれ…?純君来たよ」


「え?」


廊下の方に目をやったら、加瀬君が私に向かって手招きしていた。


回りにギャル達はいない。


どうしよう…。


無視して視線をそらそうとしたら、加瀬君がズカズカと教室に入って来た。


「ちょっと来いっ」


「何っ…」


腕を掴まれて抵抗したけど、加瀬君の力が強くて振り払えない。


渋々教室を出た。


カメラを片手に、良子が後ろからついて来てる。


加瀬君の足が止まった。


「編集長、今日は撮らないで」


加瀬君が真剣な顔をして良子に言った。


「えっ、あ…ごめん。わかった…」


加瀬君、いつもとキャラ違うし。


良子、ビビってるよ。


「離してっ…」


加瀬君から思いっきり腕を振り払った。


みんなが見てる。


加瀬君といると、嫌でも目立つ。


こういうのも、本当に迷惑っ。


「いいから来いっ」


「もーっ!!!」


何で?!


また腕を掴まれて、隣の校舎の多目的室まで引っ張られながら歩いた。