「何してんの?」


へ?!


突然前から聞こえた加瀬君の声。


パッと顔を上げたら、


ギャル達と一緒に加瀬君が前から歩いて来ていた。


「なにその封筒」


立ち止まり、私を見てる加瀬君。


ギャル達も、めんどくさそうに私を見てる。


「加瀬君には関係ない」


そう言って素通りしようとしたら、またギャル達の声が聞こえてきた。


「ホントやな感じぃ〜」


「せっかく純が話しかけてんのにね」


気にしない、気にしない。


聞こえない。


「おい編集長っ」


加瀬君が私の隣にいる良子を呼んだ。


「なに?」


振り返る良子。


「風花、何持ってんの?」


はぁー??


わざわざ良子に聞かないでよねっ。


「これは…そのっ…」


「良子!行こうっ」


私を気にする良子を引っ張って教室に向かった。


「純君、絶対にラブレターだって気付いてたよ」


「どうでもいいよ」


関係ないんだから。


ラブレターくらい、今まで何通ももらってきた。


そんなたいした事じゃないし、


あんなふうに女の子に囲まれた加瀬君に話す事じゃない。


昨日の加瀬君になら・・・


話してたかもしれないけど。


やっぱり学校にいるあいつは嫌いだよ。