放課後のブランコ

「出るって、何がだよ?」


わかんないの?


「お化けに決まってるでしょっ。毎晩毎晩白い着物を着た女の人が私の部屋に来るんだよ」


「はぁっ?!マジ?!」


ププッ…


本気で驚いてる。


出る訳ないし。


「それが私の悩みっ!加瀬君にはどうしようもないでしょ」


加瀬君は、黙ったまま拳を見つめていた。


「よしっ」


え?


「行くぞっ」


は?


何かを決意したように、加瀬君が立ち上がった。


「どこにっ?」


「風花んち」


えーっ?!


「ちょっと待ってよっ…、今行ったって出ないよっ…夜中に来るんだからっ」


「じゃあ夜中までいてやるよっ」


ありえない、ありえない!!


スタスタ歩いて行く加瀬君を思いっきり捕まえた。


「じーちゃんもばーちゃんもいるから無理だよっ」


「関係ねぇよ」


関係ない?!


「それで悩んでんだろ?初めて風花が俺に話してくれた悩みだから、俺がどうにかするよ」


うそ〜!!


加瀬君はまたクルッと向きを変えて、道路の方に歩いて行った。


どうしようっ…!


めんどくさい事になっちゃったよっ…