放課後のブランコ

私の視線を痛いくらい感じたのか、加瀬君が急に立ち上がって前の鉄の柵のところに移動した。


「別にっ、嫌ならいいけどさっ…。ほら、要に会った日から風花全然元気ねぇから」


柵にもたれかかって、私を笑って見てる加瀬君。


今日は加瀬君の心が読めない。


オレンジ色の髪が眩しい。


要君に会った日からもうどのくらい経つんだろ。


そんなふうに心配されるのは…、


少し嬉しいかも…。


じーちゃん、ばーちゃん以外、


私を心配する人なんかいない。


加瀬君は…ずっと私を見ててくれたのかな。


はっ…!


今、何を思ったっ?!


加瀬君を肯定しちゃった??


違う違う、加瀬君は私を手に入れて賭け金をもらおうとしてるだけっ!


心配なんかしてない!


この顔を真に受けるなっ!!


「私の悩み、教えてほしい??」


加瀬君にそう聞いたら、真剣な顔をして頷いた。


「俺にできる事があるなら、何でもしてやる」


………今、


ちょっとだけドキッとした。


違う、してないしてない。


「あのね、でるの・・・」


「は?」


加瀬君が強い霊感の持ち主って事は学校で有名な話し。


でも本人は、


お化けが怖いらしい・・・。


これで私に…


愛想を尽かすかもね。