「じーちゃん、ただいま」


じーちゃんにそう言ったら、怖い顔で頷かれた。


おかえりーとか言ってくれたらいいのにね。


今日はいつもより増して機嫌が悪そう。


もう慣れっこだけど。


3人で静かにご飯を食べて、


ずっと言おうと思っていた事を、二人に話した。


「じーちゃん、ばーちゃん」


「なんだい?」


ばーちゃんが机を拭きながら私を見た。


じーちゃんは、ただ視線だけをこっちに向けた。


「進路の事だけど…」


「進路?はいそんな時期かね?早いねぇ」


「うん…」


「風花の事だから…大学に進学かい?」


「大学には行かない。働く…」


そう答えたら、いきなりじーちゃんが机をドンッと叩いた。


「なにアホな事ぬかしとるんじゃっ…大学へ行って勉強しろっ!」


行かない。


大学には行かない。


もう決めたんだもん。


「働く。就職する」


そう言い切ったら、ばーちゃんも怒った。


「何で働くなんて言うんだいっ…!風花の成績なら大学に行けるでしょ…?!」


「行けないよ…成績も下がったし…、もう勉強もしたくない…」


「なにを言っとるのっ!何の為に今の学校に行っとるのっ!就職する人なんて他におらんでしょっ」


「いるよ…」


うちは一応進学校だから大学や専門学校に行く人ばかりだけど、


中には私みたいな奴もいるはず。


またばーちゃんが何かを言おうとしたら、じーちゃんがそれを遮った。


「風花」


「何…?」


じーちゃんの顔を見たら、すっごく怖い顔をしていた。