物凄く長いアドレス宛。


【おかあさん、かなめだよ。ねこのあたまの人について○○町3丁目5ー17のこうえんにきちゃった。おかあさんどこ?】


「お母さんにメールを打ったんだ…」


ってか、この住所…どっかに書いてある?!


キョロキョロと辺りを見回してみたけど、どこにも書いてない。


しかもさ…このアドレス、


この子の頭にインプットされてたの????


恐るべしかなめ君。


「あっそ、じゃ返事を待つか・・・」


それしかないね。


返事来るかなぁ。


「ねえ、僕はかなめ君て言うんだね。“かーなーめ”」


また口を大きく動かしたら、かなめ君が笑って頷いた。


何だか、ホッとした顔をしてる。


「かなめ?お前、かなめって言うのかー!だったらちゃんとそう言えよ〜」


だからぁ、話せないんだよ。


私の呆れた顔を横目に、加瀬君がかなめ君を高く抱き上げた。


ニコニコ笑うかなめ君。


“ネコの頭………”


思わずかなめ君が打った文章を思い出して吹き出してしまった。


「何笑ってんの?」


不思議そうに私を見る加瀬君。


「別に〜」


かなめ君、きっと加瀬君の頭が気になってついて来ちゃったんだね。


オレンジだもんね〜。


フワフワだもんね〜。


「初めて俺の前で笑ったな、お前」


え゙……………?


そうだったっけ。


別に何にも意識してなかったのに。