その日の帰り道。


またいつもの公園に寄った。


誰もいない公園。


目の前に海が広がる公園。


最近、ここに来てばっかりだな…。


加瀬君のせいだ。


加瀬君が私なんかをかまうから、


静かだった回りにどんどん波風が立ってく。


元の生活に戻りたい。


でもあと5ヶ月。


5ヶ月経てば卒業だ。


早く卒業したいよ。


ため息をつきながらブランコまで歩いた…。


「風花っ!」


…………え?


目が点になった。


ありえない…。


なんでいるの…?


ブランコに座って私に手を振ってるのは・・・。


加 瀬 純 一 郎


本当にうざい。


もう、ここで蹴りを付ける。


加瀬君を好きになる事は絶っ対にないし、付き合う事も200%以上ないっ。


お前の天狗みたいに伸びた鼻を、


へし折ってやるっ…!


「なぁーこいつ、迷子だって」


へ?


どんどんブランコに近付くに連れて、加瀬君の横に立つ小さな男の子が見えてきた。


迷子…?


こんなとこで?