「…で、返事は?」


遥は彼女を抱き締めたまま、不安そうに訊ねる。

そんな彼にクスリと笑むと、お腹に回っている手を包みこんで、頷く。


「うん…、よろしくね」

「……冗談とか、言わせねぇからな」

「うん」


痛いくらいきつく抱き締められ、ギブとでもいうように遥の手を軽く叩くと、悪いと謝られた。


ねぇ。

きっと、誰でもお姫様になれて、誰でも王子様になれるんだ。

おとぎ話を信じていなかったあの頃、お姫様みたいな恋愛は出来ないと思っていた。

でも、貴方のおかげで、それが出来た。


さぁ、貴方もたったひとりだけのお姫様、王子様になってみない?



【END】