コンプレックスなふたり☆



「んで、そこを工藤に助けられた」


ドキッとした。

名前を呼ばれて目線が合ったからなのか、はたまた別の意味があるのか。


(……違う、よね?)


胸を左手でぐっと押さえる。

優希の脳裏にある一文字が浮かび上がったが、首を振った。


(…気のせい、だ)


パッと吹っ切るように顔を上に向かす。

彼女がそんなことをしていることにも気付かずに、遥と少女は話を続ける。


「暫くして俺が今度はこいつを助けるため、奴等を殴った」

「はい」


こくり、と後輩ちゃんは首を縦に振った。

ところで、言葉をそこで止めて、再び目線が彼と重なり先程よりも胸の鳴る音が大きくなる。