(でも、なんでここに…?)
何の部かまでは知らないが、彼は確か文化部だったはずだ。
文化部が一体ここらに何の用だろうか。
「なっ、お前誰だよ!?」
掴まれた腕が痛むのか、体格のいい男は顔を歪ませる。
「…通りすがりの後輩ですが?」
それが何か、とでも言いたいみたいに、ニッコリと笑う。
「…っ、痛ぇんだよ!いい加減離せ!」
掴まれていた腕を無理矢理振りほどいて、チッと短く舌打ちする。
「…あぁ、すみません」
彼はわざとらしくはっとしたような顔をして謝った。
「……ところで」
笑顔を崩さないまま、チラリと後ろにいる優希に目を向ける。


