コンプレックスなふたり☆



(でも、なんでここに…?)


何の部かまでは知らないが、彼は確か文化部だったはずだ。

文化部が一体ここらに何の用だろうか。


「なっ、お前誰だよ!?」


掴まれた腕が痛むのか、体格のいい男は顔を歪ませる。


「…通りすがりの後輩ですが?」


それが何か、とでも言いたいみたいに、ニッコリと笑う。


「…っ、痛ぇんだよ!いい加減離せ!」


掴まれていた腕を無理矢理振りほどいて、チッと短く舌打ちする。


「…あぁ、すみません」


彼はわざとらしくはっとしたような顔をして謝った。


「……ところで」


笑顔を崩さないまま、チラリと後ろにいる優希に目を向ける。