コンプレックスなふたり☆



しかし、彼らが少女の嫌がるようなことをしていたのも事実だ。

それに、優希が言ったことは元々全部、彼らがしていたことだし、彼女が偽を発したわけでもない。

それに、先程彼女が言ったとおり、向こうから殴りかかってきたのだ。

やり返すというのはどうかと思うが、これは喧嘩両成敗というところだろう。


強気な態勢のままの彼女だが、優希の心の奥底には微かな怖の文字が浮かび上がっていた。

ギリ、唇を噛む。


(……大丈夫、あたしは正論を述べてるはずだから)


フと息を吸って吐くと、なんとなく落ち着きを取り戻した気がする。

目線は未だ地面を向いたまま、口を開いた。


「……許してもらわなくても、別にいい」

「あ?」


小さく呟いた為、彼の耳にはどうやら入らなかったみたいだ。


「許してもらわなくてもいいと言ったんだ」

「なっ…」


彼は目を見開いた。

この態勢なら、次に起こることを簡単に予想していただろう優希。

だけど。