しかし、彼らが少女の嫌がるようなことをしていたのも事実だ。
それに、優希が言ったことは元々全部、彼らがしていたことだし、彼女が偽を発したわけでもない。
それに、先程彼女が言ったとおり、向こうから殴りかかってきたのだ。
やり返すというのはどうかと思うが、これは喧嘩両成敗というところだろう。
強気な態勢のままの彼女だが、優希の心の奥底には微かな怖の文字が浮かび上がっていた。
ギリ、唇を噛む。
(……大丈夫、あたしは正論を述べてるはずだから)
フと息を吸って吐くと、なんとなく落ち着きを取り戻した気がする。
目線は未だ地面を向いたまま、口を開いた。
「……許してもらわなくても、別にいい」
「あ?」
小さく呟いた為、彼の耳にはどうやら入らなかったみたいだ。
「許してもらわなくてもいいと言ったんだ」
「なっ…」
彼は目を見開いた。
この態勢なら、次に起こることを簡単に予想していただろう優希。
だけど。


