(……よし、それでいい)
三人が完全にこちらを標的にしたため、メガネが彼女を掴んでいた手を無意識のうちに離していた。
ちらり、目で合図を送る。
少女はそれを受け止め、こくりと頷くと、ゆっくりと三人から遠ざかった。
(……これで、あの子は平気だな)
だが彼女は、そのまま行ってしまえばいいものの、こちらの様子を不安げに見守っている。
きっと助けてくれた優希が心配で、戻ろうにも戻れないのだろう。
フッと口元に笑みを浮かべるがそれも一瞬のことで、また偉そうな態度をとった。
「何処が馬鹿だって? そんなことも分かんないわけ?」
ハンッと小馬鹿したように鼻で笑う。


