♀優希side♀


「あ? んだと? もう一回言ってみろ!」


三年生らしき男子の三人組のうちのひとりが声を上げる。

彼等は黒髪で髪は染めてはないが、ワイシャツのボタンをしっかり止めてないわズボンは腰パンだわと校則違反そのもの。


(生徒手帳に中学生らしい格好をしましょうね、って書いてあるだろ、あれ読めよコイツら)


まぁ、いくらこの人達でも、先生の前ではちゃんとするんだろうけど、多分。


(というか、今まだ義務教育中だよな?好き勝手しすぎだろ)


この状況の中、ひとりブツブツ心の底で突っ込んだり呆れたりということが出来る彼女は天然というか、ある意味凄いというか。


(…ま、義務教育だろうが何だろうが、とりあえずこの子をなんとかしないと)


はっきり言って、何故今此処でナンパをする必要があるのかが優希にはさっぱり分からない。