彼は朝が少々苦手で、朝練がある日は不機嫌になりながらいつも起きる。

いや、朝練がなくとも朝は機嫌がよろしくない。

だからこうポカポカされると眠くなる。


(あー…、ねみぃ)


ぐしぐしと目を擦っていると、普段は誰も行かない様な場所から声が聞こえてきた。

初めは他の部活が何かやってるのかと思ったが、どうやら違うらしい。

彼は眉を潜めた。


(……何だ?)


嫌な予感がする。

もし何かあったなら、止めなければ。

一歩一歩慎重に遥はその場へと近づいた。



♂遥side♂