「おい、こいつ…」


他のふたりも彼女の存在に気付いたようで、優希を目にすると驚きをあらわにしたが、直ぐに体格のいい男同様にやりとした。


「ゆ、き…せんぱっ」


彼女はガクガクと震え、涙目だ。


「……大丈夫」


ニコッと安心させようと小さく微笑む。


「お前…工藤優希か?」

「……」


彼らは確信を持って尋ねてくるため、優希は無言だ。

そのかわり、ふと目を伏せた彼女が、次の瞬間開いたときには、空気が多少なりともかわっていた。 



♀優希side♀