(……ま、関係ないか) 先輩だろうが後輩だろうが何だろうが、彼女は嫌がってるのだから。 助けないで見過ごすなど、優希にはそんなこと出来るはずがない。 今度は足音を消そうとはせずに、そのまま彼らの元まで足を運ぶ。 すると少女の腕を掴んでいたひとりの男が優希に気が付いた。 「…何だ?お前」 体格のいい男が一瞬眉を潜めたが、彼女をじっとり舐めるように見るとにやりと笑みを浮かべる。