壁越しから相手に気付かれないように覗き見る。
そこにいたのは、ひとりの女子生徒と三人の男達。
(あれは…)
さっき優希にクッキーを渡した、ふたつ結びが特徴の女の子だった。
彼女は観察する様にじっくりと、おもに男三人に視線を止める。
見る限り、優希は彼らを知らないし見たこともない。
ということはつまり、同学年ではないということになる。
(…それとあの背丈からして、後輩でもないと思う)
まぁそう感じたのは、先程から止めてください!と女の子が敬語を使っているのも理由のひとつなのだが。
(……面倒だな)
視界に映る彼らを睨み付ける。
彼女は舌打ちをしたくなった。


