(…ここらでいいかな) 人がいないのを確認して、持っていた竹刀を振り始める。 ブンッと風を斬る音が、竹刀を下ろすたびに耳を通り抜ける。 それが心地よかった。 無我夢中で竹刀を振り続けていると、突然甲高い悲鳴らしき声が聞こえた。 (……何?) 眉を寄せ、竹刀を下ろす。 先程の悲鳴ほどではないが、嫌がる声が未だに彼女の耳に届いていた。 優希は数秒、その方向を見つめていたが、それをふと竹刀に向けた。 (……今、竹刀が手元にある) ぎゅっと強く握り締める。