「そんなのはただの噂にしかすぎないわ。」 アディナはリディナから視線を外して言った。 「それがただの噂かは舞踏会に行けばわかるわよ。」 いつも笑顔を見せないリディナが微笑んだ。 「お、お姉様!」 いきなり声を上げたアディナにリディナは目を丸くする。 「な、どうしたのよ。」 「お姉様が笑った……」 そんなこと?と言うような顔おしたリディナ。 「私だって鬼じゃないのよ?笑うことだってあるわ。」 「そうね、そうよね。鬼じゃないのよね。」 何度も同じような事を繰り返しているアディナ。