「なー!」
「んみゃー!」
あ、忘れてた。
「可愛い猫だね」
「なんかさっきからついてくるの。」
「はは、動物に好かれるんだね。捨て猫かな…?」
首輪もないし…、野良だね。
「綺麗な野良だね、捨てられたのは最近かな?」
「あたし、連れて帰りたい。これ。」
「うん、これじゃなくて猫ね。じゃぁ、連れて帰ろうか。」
兄さんと2人の家は寂しいから、二匹も家族が増えれば楽しいよね。
「兄さん、ありがと。」
面と向かってありがとうは恥ずかしいけど、こんな時くらいは言ってあげなきゃ。
「いいえ、猫缶買いに行かなきゃね。」
「あと、首輪もね。」
