カラスなあたしと、うさぎな俺。




あたしの家は学校からさほど遠くなく、近くもない場所にある一軒家だ。



歩いていると猫がついてきてる事に気付いた。


小さな、真っ黒な毛並みをした黒猫と真っ白な毛並みをした白猫がいた。




「なー、」
「んなー!」



「なに?」


もうすぐで家に着くのに。


無視をしてまた歩きだす。


「ぶなー」
「んにゃー」


「日和!?」



ん?


ちょっと遠目から小走りで寄ってくるのは。



「あ…、兄さん…」


「日和、今帰ってきたのか?今日は短縮授業だ、って聞いたから、兄さん心配で学校まで迎えに行っちゃったよ。」



この心配性でちょっと鬱陶しいのは、兄の葉山小春。


小春、なんて可愛らしい女の子な名前だけどちゃんと男性、兄さんだ。



「うん、あたしもさっき聞いた。」


「日和は…、ホント、母さんに似てどこか抜けてるんだから。」


「兄さんは父さんに似て心配性だね。」


「手のかかる妹のせいでね。」




父さんと母さんは2年前、強盗殺人犯に殺された。


出来るだけ思い出したく無かったな。



「今日の晩ごはんはハンバーグにしようか。」


「いいよ、なんでも。」