カラスなあたしと、うさぎな俺。





 ─屋上


「さぁ、葉山さんっ!俺の膝を枕代わりに!どうぞ!」



あり得ない、いらない、堅そう。


「そう言うとおもって、俺の手作り枕持ってきました!」



「……アンタ器用だね。」


丁寧にヒヨコの刺繍を施された枕。


丁度いい高さ、堅さ。


「葉山さんの為ならなんでも出来ます!」




「………アンタさ、なんであたしのこと葉山って呼ぶの?」


「正確には葉山さんですね!葉山さんは俺のこと、アンタって呼びますよね!」



なんだろう、この気持ち。


殺意か。



「俺の名前は、橘明希。」


「た、ちばな…」



「なんですか!?葉山さん!」


なんか、こういうのって青春って言うのかな?


ちょっとずつ、好きになってるのか?


あたしはまだ本当の恋なんて分からないからね。


この気持ちはなんだろうね。


やっぱり、殺意かな?