「…気持ち良かったよ。」
何人目の彼氏だろう。
いつものようにヤッた後、さっさとシャワーを浴びて帰って行く、男。
なんて名前だったっけ?
好きなものはなんだったっけ?
嫌いなものはなんだったっけ?
何が楽しくてこんなことしてるんだろう。
「ねぇ、あたし達、別れよっか?あたし、アンタといても楽しくないし、アンタとのセックスも気持ち良くない。」
「………」
驚いた顔をして目を見開く名前も知らない男。
次に立ち上がり、あたしの髪を掴み、
「俺のテクがなってねぇだと?お前あんなに喘いでたじゃねーかよ!!」
と、怒鳴る。
「声だしてりゃ気持ちいい、って訳じゃないの。声なんか演技で出せるの、馬鹿。」
本当に馬鹿な奴。
